村上春樹のスピーチから考察する、超一流までいく人と、そこそこで終わる人の違い

どうもどうも( ´ ▽ ` )ノ

ともぴこです。

さてさて、私の嫌いな作家さんの1人に、あの毎年ノーベル文学賞候補に名前が挙がるけど取れない「村上春樹」がいます(人格は好きですが、作品が肌に合わない)

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この前も「アフターダーク」という小説を読ませて頂きましたが、やっぱり遭いませんでしたw 


とは言っても「ノルウェイの森」や「1Q84」などはしっかり読ませて頂いており、内容やストーリー自体は面白いと思っています。

ただ、私は村上春樹のクドイ比喩表現が多過ぎる文章が苦手なだけなので、完全に合うか合わないかの問題です。

そんな感じなので、村上春樹に特別強い思い入れなんかはないんですが、この前たまたまyoutubeを見ていたら、村上春樹のエルサレム賞授賞の時のスピーチが出てきて

それを見て「あぁー!流石だなぁ」と思わせて頂きました。

目次

村上春樹のとあるスピーチが最高の教材

スピーチの内容を全部書くと発狂する量になるので、ザックリと要点だけをまとめると

「高く堅固な壁と卵があって、卵は壁にぶつかり割れる。そんな時に私は常に卵の側に立つ」

そうなんです。その壁がいくら正しく、卵が正しくないとしても、私は卵サイドに立ちます。

他の誰かが、何が正しく、正しくないかを決めることになるでしょう。

おそらく時や歴史というものが。

しかし、もしどのような理由であれ、壁側に立って作品を書く小説家がいたら、その作品にいかなる価値を見い出せるのでしょうか?

この暗喩が何を意味するのでしょうか?

いくつかの場合、それはあまりに単純で明白です。

爆弾、戦車、ロケット弾、白リン弾は高い壁です。

これらによって押しつぶされ、焼かれ、銃撃を受ける非武装の市民たちが卵です。


これがこの暗喩の一つの解釈です。


しかし、それだけではありません。
もっと深い意味があります。

こう考えてください。

私たちは皆、多かれ少なかれ、卵なのです。


私たちはそれぞれ、壊れやすい殻の中に入った個性的でかけがえのない心を持っているのです。


わたしもそうですし、皆さんもそうなのです。


そして、私たちは皆程度の差こそあれ、高く、堅固な壁に直面しています。


その壁の名前は「システム」です。


「システム」は私たちを守る存在と思われていますが、時に自己増殖し、私たちを殺し、さらに私たちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させ始めるのです。


私が小説を書く目的はただ一つです。


個々の精神が持つ威厳さを表出し、それに光を当てることです。

小説を書く目的は「システム」の網の目に私たちの魂がからめ捕られ、傷つけられることを防ぐために、「システム」に対する警戒警報を鳴らし、注意を向けさせることです。

私は、生死を扱った物語、愛の物語、人を泣かせ、怖がらせ、笑わせる物語などの小説を書くことで、個々の精神の個性を明確にすることが小説家の仕事であると心から信じています。

というわけで、私たちは日々、本当に真剣に作り話を紡ぎ上げていくのです。


どうでしたか?

村上春樹は


私達個人を、「卵」
システム(要するに資本主義や制度や法律など)を「壁」


と表現しているワケです。

この「個人とシステムの関係」も非常に奥が深く、記事にしたいぐらいなのですが、今日は【村上春樹は小説を書いているのか?】というテーマで書きたいと思います(ここから本題です笑)

村上春樹にとって小説とは?


そもそも私は、村上春樹を小説家だと思ってますが、彼自身はおそらく小説の事を【1つの手段】として捉えているんだと思います。

どういう事かと言えば、村上春樹の中には「小説家」などという職業よりも、遥かに上の上位概念や使命が明らかにありますよね。


それがスピーチでも言ってますが【個々の精神が持つ威厳さを表出し、それに光を当てること】です。


私はずーーっと「使命やお役目を持つと抽象度が高くなる」と言い続けていますが、村上春樹もかなり抽象度が高いです。

つまり、村上春樹の中では【個々の精神が持つ威厳さを表出し、それに光を当てること】という使命があり、「その使命を果たすために、彼が最大限にできること・お役にできることは何か?」という問いの中に《小説》があるという感じです。


つまり、村上春樹的は、他のやり方で、よりより自分の使命を果たせるやり方ががあるならば、即効でやめると思われます。村上春樹の中では【小説は手段】でしかないという事です。

私の大好きな小説家の「司馬遼太郎」何かも、完全にその類の人です。

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こういう、使命や志に燃えてる人が出す本やコンテンツには、膨大なエネルギーが込められますし、読者は無意識レベルでそれを感じ取ります。

村上春樹が長い間活躍し、ハルキストの様な濃いファンを作れるのも「小説を書く」ということが目的ではなく、さらに抽象度の高い使命感を持っているからだと思います。

超一流は楽しんでいるのか?

さてさて、じゃあ「村上春樹は小説を書くのは楽しいですか?」と問えば、おそらく「ノー!」と答えると思います(確かエッセイでもそんな事を言っていた気が笑)


超一流の人は「一般の人より圧倒的に苦しんでいる」という事実がありますが、村上春樹もきっと【小説を書くのが好きどころか、きっと苦しんで書いている】そんな気がするんです。

いや、厳密に言えば、最初や若い頃は大好きだったと思いますし、今でも根底には「好き・楽しい」という気持ちはあると思いますよ。じゃないと続かないですから。


ただ「好きだからやる」というのは、かなりステージが低いです。

昔はよく私も【好きな事を仕事にしよう】というキャッチコピーを多用していましたが、あれはステージが低い人向けの文です(今後は死んでも使いませんww)

というのも「好きな事を仕事にしたい」というのは、あくまでも【自分の話】でしかなく

「好きな事を通して、人や社会にどんなインパクトを与えたいか?」「どう変えていきたいか?」「どうより良くさせていきたいか?」という視点が抜け落ちてます。

所詮【いかに自己実現するか?】 ってお話なんです。

実際に私は仕事柄、好きな事を仕事にして、好きな事でプロフェッショナルに登り詰めて、お金をたくさん稼いでる人にお会いしますが、彼らの大半は【いかに自分の年収を増やすか?いかに自分のスキルを上げるか?】という所にまでしか興味を持ってませんし、自分にばかりエネルギーを注ぎます。

なので、彼らが成功してるとは言っても、人間性が高まっていたり、懐が深かったり、繁栄するような働き方をしている人は殆どいません。

というのも、彼らは「自分がいかに自己実現するか?」という段階で終わっているからです。

さっきも言いましたが「好きな事を通して、人や社会にどんなインパクトを与えたいか?」「どう変えていきたいか?」「どう社会や関わってくれた人を、より良くさせていきたいか?」という視点が抜け落ちてます。

だから、周りとの循環も起こりませんし、人のお役に立つ意識が乏しいです。

そういう働き方は、幸福度も繁栄度も長い目で見たら低いです。

そういう人たちが次のステージに行くためには【今まで自分が好きでやってきた事を、いかに人のお役に立てるか?】という意識を持つことだと思います。

つまり、1個上のステージに上がることです。


そして、ここまで来ると、おそらくですが徐々に苦しさも大きくなってきます( ゚д゚)

人は自分のために好きな事をやっている時は、大した苦しみは味わいませんが、人のためにやりだすと一気に悩みや葛藤が増えます。

例えば


自分が活躍して、ホームランを打つために好きな野球を練習する。



自分も活躍するが、チームが勝つための練習をする。

だと、圧倒的に後者の方が苦しいです。

が、圧倒的に後者の方が成長し、最終的には本当の意味でのスポーツマンになります。

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それと一緒で、村上春樹はただ小説を書いているのではなく、抽象度の高い使命感を持って小説を書いているので

伝わらない苦しさ
自分の無力感
自分の影響力のなさ


などに、悩乱していると思います( ゚д゚)

それでも書いていられるのは、少しでも報われた時の、桁外れの充実感や幸福感。

これに尽きると思います。

みんなに言いたい事

みんなに言いたい事は、結局【好きの先に突入してからが本番だからな】って事です。

もちろん最初は、好きな事をやりまくり、専門性を深めるのは大切ですが「それを使ってどう社会や人のお役に立つか?」という意識も持っていて下さいね。


私も文章は書くのは大好きですし、アウトプットも大好きですが、楽しくはないです。

 コンサルも同様です。

むしろ「自分の無力感」を感じる事の方が圧倒的に多く、そこでもがく事にエネルギーを注いでますし、それが成長を止めないコツかな?と思っています。

好きだから小説を書いている人。
使命を果たすための手段として小説がある人。

込められるエネルギー量
循環の大きさ
影響力の大きさ
感謝し、される量の多さ
幸福感と苦悩感の多さ
成長のスピード

何かが全然違ってきますからね。

好きな事を仕事にして、自分が豊かに生きるのもいいですが、その先も意識し始めた時に、豊さなんかは勝手に付いてくる様になりますよ。

ではでは( ´ ▽ ` )ノ
貴重なエネルギーを使い読んで頂き、ありがとうございます。

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